右脳な舞・左脳な迷

微笑 中動作誤に常正 くし楽も日今 ありがとう

柴田淳 TOUR 2008(東京国際フォーラム・ホールA)

柴田淳 CONCERT TOUR 2008
 月夜PARTY vol.1 FINAL
 〜しばじゅん、アイスクリームからサニーへ〜

最高のひととき。まるで『優しい音楽』という絵画を観ている様だった。
例えば『メロディ』を歌う彼女は音楽そのものであった。
全てがそうだった。幸せな音に包まれた美しい歌声。
かつて本田美奈子さんは、この世のものと思えない優しい歌声でホールを包み込んだが、 今夜、彼女は、その記憶を彷彿させてくれた。
もはや彼女の歌声は、比類なき美しさと言えるだろう。
ただし、その美しい声で歌われる歌詞は「おろち」である。
彼女の「夢」であった塩谷哲さんとの競演も素晴らしく、そこで披露された『わたしの夢』と『小鳥と風』こそが、音楽の夢の様であった。

さらに特筆すべきはサポートミュージシャンの素晴らしさだ。
この繊細で安定した音楽なしにこの美しさは成し得ない。
この大きなホールでこの美しさを再現するPAの技術にも舌を巻く。
また何故か途中でチェロの女性が引っ込んだのだが、その後、チェロのメロディを難なく弾いたviolaの三木章子*さんに花束とご祝儀を!

彼女にとって、この東京国際フォーラム・ホールAこそが最大のホールであり一つの目標であったようだ。今回のツアーはセットにも凝っていて、彼女曰く「博物館の廃墟の前で月夜にパーティーをしている雰囲気」らしく、「ディズニーのような」というリクエストに対し本当にディズニーランドのアトラクションを設営している会社に発注したそうだ。満月が空を動いてゆき、12時を過ぎ、月が沈むと満点の星空になり、夜明け近くには薄明かりの青空が海中から水面を見上げる様な青い波のようになる。今日は廃墟の中に誰もいない様だった。大人数のヴィデオチームが入っていたのでライブDVDが楽しみである。