右脳な舞・左脳な迷

微笑 中動作誤に常正 くし楽も日今 ありがとう

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(東京オペラシティ)

   第214回定期演奏会
ブゾーニ/喜劇序曲 作品38
ヒンデミットウェーバーの主題による交響的変容
コルンゴルド交響曲 嬰ヘ長調 作品40
 ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト 指揮 
 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 ブゾーニヒンデミットは練習していないのがマル分かりでチヨツトガツカリ。その分、コルンゴルドは十分にリハーサル出来ていて、作品の真価を示した快演だった。とは言えもう一度聴きたいかと問われれば、この多様すぎる現代に於いて「これだけの演奏を1回聴けば充分」だと言う気がする。
 さて、ブゾーニ。私は約10年前にブゾーニを少々研究していて、この『喜劇序曲』に関してはスコアまで取り寄せて勉強した。その時参考に聴いたCDが、W.A.アルベルトさん指揮のNDR交響楽団だった。だから期待してたのに。演奏は曲を通しただけ。練習も、通し練習を1〜2回やっただけなんじゃないの?滅多に聴けない演目でこんな仕打ちではブゾーニが可哀想だ。曲の良さが伝わってこない、というか面白さを弾き切れていない。アンサンブルのバランスも整えられていない。10年前に聴いた某交響楽団の演奏の方が断然良かった。
 ヒンデミットに関しても、もし何らかの意図があってこのような演奏をしたのなら、その意図は大失敗だったと言わざるを得ない。そんな事を考えてしまう程、散々でした。いや、楽譜に書いてある事はちゃんと演奏しましたよ。それでいいのか?ベートーヴェンなら演歌魂とかロマンで誤摩化せるけどヒンデミットはそうはいかない。いやまあ一流オケなら何とかなるかも知れない。私はこのスコアが大好きだ。その大好きな所をこれほどまでに平板化するとは何と謙虚な事よ。実際のところは、ブゾーニと同じく、スコアがよく書けているのでそんなにリハを重ねなくてもそれなりの演奏効果が期待できると考えて、限られた練習時間をコルンゴルドに集中したんだろうな。
 コルンゴルドはCD化しても恥ずかしくない立派な演奏でした、ハイ。
 シティ・フィルは来季のプログラムが面白いので、シリーズチケットを買って、しかも維持会員ぐらい申し込もうかと考えていただけにチヨツトバカシ残念な一夜でした。シリーズチケットやめてクーポンにしようかな。