右脳な舞・左脳な迷

微笑 中動作誤に常正 くし楽も日今 ありがとう

ライヒ『ドラミング』ライブ   (東京オペラシティ)

Reich Drumming

コリン・カリー・グループ:ライヒ《ドラミング》ライブ
スティーヴ・ライヒ
 /クラッピング・ミュージック
   スティーヴ・ライヒ & コリン・カリー
 /ナゴヤマリンバ 〜2台のマリンバのための
   コリン・カリー & サム・ウォルトンマリンバ
 /マレット楽器と声とオルガンのための音楽
 /ドラミング 〜声とアンサンブルのための
   シナジー・ヴォーカルズ *
   コリン・カリー・グループ *

 
  55分の大作『ドラミング』の演奏が終わると、スタンディング・オベイションに歓声! どういう客層なんだ? あなた達普段何を聴いてるの? 嬉しくて近くの2人組ご令嬢に聞きそうになった。先月聴いたクラシックの客層とはまるで異なるオシャレな若者が7割近くを占めていた。これだけお客さんが歓声を上げてくれたら、明日の公演もきっと素晴らしい演奏になるに違いない!当日券有るよ。1991年にライヒ初来日したとき大阪国際交流センターの客席は多く見積もっても4割程度しか埋まっていなかった。大阪だからか? いくらクラシック人口が少ないと言ってもあんなに客の入りが少なかったのは珍しく、当日の『6台のピアノ』演奏の強烈さと共に鮮明に覚えている。
  『クラッピング・ミュージック』おじさん2人がステージで一心不乱に手を叩くが何やってるのか分からない!もうね、予備知識無しでこの光景に晒されたら笑うよ多分。でもこのゲームは難しいんだ。スコア持ってるけど難しいんだよ。現代の音楽に於ける偉大な実験の経過作品ではある。 大好きな『マレット、声、オルガンのための音楽』は、CDで聴くと避暑にもってこいの涼しく瀟洒な音楽なのだが、実演で聴くと、マレット楽器群が結構鋭い倍音をキラキラと放って刺激的だ。
  そして大作『ドラミング』だが、なんというか、「ハレ」という感じでもなく、伝統手工芸を製作する家内工場の秘密を覗き見しているようだ。同じ55分でも、ラフマニノフ交響曲のドラマティックな長話を聴いているより、ライヒの果てしなく移り行く景色を聴いている方が心地よく感じるのは何故。モートン・フェルドマンのような「忍耐力への挑戦?」という感じも無く、果てしなく心地よい。
  嗚呼 ライヒ一番の名作『砂漠の音楽』(asin:B000005IXI)どっか演奏してくれないかな? 20世紀を代表すると言っても過言ではないぐらい素晴らしい曲なのだが、まだ実演で聴いた事が無い。いっそ私が企画しようか久しぶりに。6億円当たったらね。