第472回 定期演奏会
ベートーヴェン/交響曲第8番 ヘ長調 作品93
/交響曲第9番 二短調 作品125『合唱』
リーサ・ラーション(ソプラノ)
ウィルケ・テ・ブルメルストゥルーテ(アルト)
ベンジャミン・ヒューレット(テノール)
デイヴィッド・ウィルソン - ジョンソン(バリトン)
栗友会合唱団(合唱指揮:栗山文昭)
フランス・ブリュッヘン 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
後にも先にも、こんな第9は二度と聴けないだろう。
しかし、ソリストがいないまま、第4楽章が始まった時には事故かと思いました。ブリュッヘンのアイデアだとしたら、語りかけながら舞台に登場するバリトンは素晴らしいとしか言いようがない。呆気にとられて泣きそうだった。もし事故だとしたら奇跡に近い。第8交響曲の演奏は、これがベートーヴェンのアイデアが辿り着いた所だと言わんばかりの、ある種の風格を感じた。比して第9交響曲の演奏はアグレッシブだった。「交響曲」と言う名ではあるが、何か新しい別の物を創り上げようと格闘しているかのようだった。
真新であった。