右脳な舞・左脳な迷

微笑 中動作誤に常正 くし楽も日今 ありがとう

日本フィルハーモニー交響楽団(横浜みなとみらいホール)

  第261回 横浜定期演奏会

J.S.バッハ組曲 第3番 ニ長調 BWV.1068
ベートーヴェン交響曲 第1番 ハ長調 作品21
ブラームス交響曲 第1番 ハ短調 作品68
      [第2楽章は 初稿版による演奏]
(アンコール)J.S.バッハ組曲第3番 より G線上のアリア

   延原武春 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団

 バッハではどうなる事かと、滅入ってしまったが、ベートーヴェンブラームスは、なかなか良かった。指揮者によると「古楽奏法」という方法ではなく、「古楽的な視点に基づくアプローチ」による心の投影をテーマにした演奏を目指したそうだが、バッハでは見事に中途半端であった。小編成で演奏されたバッハにはホールが広すぎたのかもしれないし、リハーサルの時間が足りなかったのかも知れない。ベートーヴェンはなかなか美しい演奏で、時々、ほんの少し「古楽的アプローチ」による刺激的なニュアンスもあり、敗北感に包まれて帰宅するという最悪のシナリオは回避されたようで、おそらく最も「心」が籠ったブラームスへ望みをつないだ。まったくブラームスはいい演奏だった。延原さんが指揮をした意味が大いに有った。ただ、要所は延原さんのアプローチが光ったが、全体的には延原色の様なものは未だ薄い感じがした。今後も何度か共演しオーケストラが古楽的アプローチを自ら楽しめる様になるとブリュッヘン新日本フィル鈴木雅明&東京シティフィルに比類しうるコンサートを創れるかも知れない。ブラームスの第2楽章の初稿版について興味の有る方は、マッケラス指揮のスコットランド室内管弦楽団のCDで聴くことが出来ます。そうそう!オーボエいい音色してますね、素晴らしい!